葬儀の世界に広がる「ビジネス化」とは

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納骨堂葬儀・葬式都内

葬儀は人が亡くなったことを知らせるため、またその亡くなったことについて受け入れるための宗教的儀式です。日本国内においてもこの儀礼は当然のように行われてきましたが、ここ数年の日本社会で広がって来ていると指摘されるのが「葬儀のビジネス化」です。特に大手スーパーマーケットチェーンがこの業界に参入することを決めたということを受けて、寺社などはこぞってその在り方を批判するようになりました。もちろんその主張である「宗教のビジネス化は行うべきではない」ということは、ある程度は正しいことであると言えるでしょう。

宗教とは人の精神に寄り添うものであり、本来はそこにお金を絡めるものではないはずだからです。ただしかし、こうした葬儀のビジネス化を盲目的に批判することが正しいのかと言われれば、少々首をひねる部分はあります。日本人は古来より仏教徒であるとされてきましたが、しかし昨今の社会において毎日仏壇にお経をあげるなど、宗教を生活のよりどころとしている人はどこまで居るでしょうか。かつてまでは家に仏壇があって当然、神棚があって当然というような社会であったことは確かですが、現代においてはそうではないという家が一定数あります。

そうした人にとって葬儀とは何なのかというと、やはり宗教儀礼よりは社会通念上行うものというイメージが強くあるものです。言葉は厳しくなりますが「仕方ないからやる」という考え方もそれなりにあるでしょう。そうしたところであればこれまでのように祭壇に数百万円かける、戒名に数十万円払うというようなあり方が求められなくなるというのは、やはり受け入れざるを得ない部分があります。もちろん正しいか正しくないかは人それぞれですが、こうしたビジネス化の潮流の発生自体は当然のものであった部分があるのです。

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